私はいつも本当に言葉を詞を大切にしてきました。音楽でそれが伝わればいいなと願ってます。— 坂井泉水 —
What a beautiful moment 本編より
最初で最後の初となった全国ツアー『ZARD What a beautiful moment Tour』の映像作品が2020年10月リリースされた。東京国際フォーラム公演の模様を中心としている。
本作の仕様について
本作はDVD映像を最新技術でフルHD化したものだ。よって、画質は期待できない。
期待しているとDVD映像とそんなに変わらない画質にガッカリするかもしれない。
でも、DVD映像特有のブロックノイズとかはない。また、本編にテロップが挿入されているが、それはフルHDで挿入されているのでグッジョブ。正直、よくぞここまで綺麗にしてくれた、というのが個人的な所感。
音源はリニアPCMステレオで、これも良かったと思う。下手に5.1ch化してあっても作品として劣化してしまうので、ZARDの歌声がストレートに再生できるステレオが最善であると思う。
本編の内容について
本作で私はZARDの坂井泉水さんが歌っている映像を初めて観た。カメラワークが少なく、だいたい決まった角度でしかご尊顔を拝する事ができないが、それでもとても美しい立ち振る舞いに感動を覚えた。もっと色々な角度で観てみたいが、それは実際のライブに赴いたとしたら決まった角度でしか見えないので、望みすぎだろう。
歌詞か何か、歌うタイミングか、坂井泉水さんのなかでやっちゃったと思う瞬間があったのか、お茶目な表情も垣間見える。清楚なあどけない少女のようである。
ライブだから音程が外れたり、乱れた歌い方になることもない。とてつもなく歌が上手い人だ。圧倒的な透明感。サウンドの古さは否めないが、その歌声は時代を超えて愛されていくだろう。
ソロギターに合わせてアコースティックに歌う曲もいくつかある。これは圧倒的に歌が上手くないと聴かせられないものだ。比類なくかっこよかった。
中には「良かったら一緒に歌ってください」という曲もある。初ライブでそれは無茶ぶりだろうと思ったが、今となっては観客の方々にも忘れ得ぬ思い出になっているに違いない。
坂井泉水さんの語り
坂井泉水さんが語るのは、極一カ所のみ。ある曲のイントロで失敗するのである。お茶目な「しっぱーい」の声である。そのつなぎに冒頭のメッセージがある。語っているところを観る機会はこれしかない。ファンならば、これを見るだけでも本作を入手してよかったのではないか。
特典映像について
特典映像は、ライブメイキング。巨大なステージセットを組む映像が流れる。これだけ多くの人が関わっていたのか、少々驚いた。
当時のライブ限定物販の映像も収録されている。グッズに2004の文字が刻まれており、これを持っている人は間違いなくお宝になっていることだろう。
ZARDに思い出のある人におすすめの作品
本当に個人的な欲でこれを訴えるのはどうかと思うが、とても綺麗なライブでの歌唱なので、Blu-ray DiscとともにCD音源化して欲しかった。何十周年というのはまだ続いていくならば、今後ライブ音源CDを期待したい。
もうこれ以上ZARDの音源が増える事はない中、本作でライブを堪能して、最後ウルッと涙腺にきた。これほどの人がもういないのか、そして会える事もないのか。感慨深いものがある。ZARDの歌と共に青春を過ごし、そして我々はこれからも強く生きていかなければならない。
これも完全に個人的な話題で恐縮だが、ZARDのベストCDを買ったとき、はがきが付いていた。抽選でオルゴールバスが当たる応募はがきである。体調不良で入院せざるを得ないタイミングで、なんと当選しオルゴールバスが届いた。とても勇気をもらい、今でも大切に飾って置いてある。ZARDの励ましは決して忘れない。
収録曲
- 揺れる想い
- この愛に泳ぎ疲れても
- もう少し あと少し…
- あの微笑みを忘れないで
- 世界はきっと未来の中
- You and me(and…)
- もっと近くで君の横顔見ていたい
- 明日を夢見て
- 瞳閉じて
- 心を開いて
- あなたを感じていたい
- 愛が見えない
- Today is another day
- 来年の夏も
- My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~
- 君がいない
- マイフレンド
- 負けないで
- pray
- 止まっていた時計が今動き出した
- Don’t you see!
バンドアーティスト
- 大賀好修:Live Arrangement、Electric Guitar & Acoustic Guitar
- 綿貫正顕:Electric Guitar
- 岡本仁志:Electric Guitar
- 麻井寛史:Bass
- 古井弘人:Keyboards
- 大楠雄蔵:Keyboards
- 岩井勇一郎:Acoustic Guitar & Chorus
- 大田紳一郎:Acoustic Guitar & Chorus
- SATIN DOLL:Chorus
- Megu
- Miki
- Kayo
- 岡崎雪:Chorus
- 高久知也:Violin
- 鈴木央紹:Saxophone
- 勝田一樹:Saxophone
- 車谷啓介:Percussion
- デヴィッド・ブラウン:Drums
- 大藪拓:Manipulator
- 兼松宏尚:Manipulator
- 池田大介:Opening SE Arrangement